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私は、九州にある機械の開発・設計・製造をやっているある会社に勤務していました。
オーダーメイドの機械ばかりを製造販売していましたが、食品リサイクル法が制定されたのをきっかけに、
「これからは環境の時代だ。環境関連の自社製品を開発するぞ。」
という社長の鶴の一声で、食品リサイクル法対応の低温乾燥装置の開発が始まりました。
私もプロジェクトの一員として開発に携わり、乾燥装置の試運転や実際に豆腐工場に乾燥装置を置き、毎日5トンから10トンの生オカラを乾燥し、性能試験を行いました。
開発も順調に進み、豆腐工場から引き合いが来るようになり、自社製品が売れるようになって来ました。
捨てれば産業廃棄物になるものを、新鮮な内に乾燥すれば資源となる装置の販売は、環境配慮にとても貢献していると言うことから、ISOを取得しようと言うことになり、1997年11月、
社長からISO14001認証取得の責任者に任命されました。
本を読んでもチンプンカンプン、研修に行っても日本語なのに言葉の意味が分かりません。
環境側面? 著しい環境側面って何? 文書化し、常に最新のものにする?
分からない事だらけで泣きたくなったこともあります。
男性に用意されているハンカチは3枚しかないと言いますが、私は女性なので泣こうと思ったら何回でも泣けるのですが、泣いていたって始まりません。
また、聞いたところによると、毎年審査を受けなければならないと言うじゃありませんか。
色々調べて、熱海にあるL.M.JというISOの研修機関があるということが分かりました。
何も分からないままに、ISO主任審査員研修コースを受講することにしました。
後で分かったのですが、このコースは審査員になる人たちが受けるコースで、システムを構築するためのものではなかったのです。
受講者の殆どは、大企業のISO担当者の方々で、知らないこととはいえ、今思えば、あまりにも無謀すぎました。
グループに分かれての研修中にリーダーから
「そんなことだから何も知らないと言われるんだ。」
とバカにされ、私は 「貴方だって初めから知ってたわけじゃないでしょ。」
と喉まででかかった言葉を涙と共に飲み込み、いつかきっと見返してやると心に決めました。
研修が終わって試験があるのですが、全く分からず、結果は不合格。
もう一度、追試験を受けるよう手紙が同封してあり、社長も受かるまで何度でも行けと言ってくれたので、追試験を受けることにしました。
2回目の試験で何とか合格はしたものの、益々ISOが分からなくなりました。
そこに追い討ちをかけるように、遅々として進まないISOに、社長の怒りが爆発
「お前の仕事はISOだ。他の仕事は一切やるな。俺はどうしてもISOが取りたいんだ。」
と怒鳴られ、社長のこの言葉は、8年経った今でも耳に残っています。
肥後モッコスの私は、ナニクソ、絶対仕事もこなしながらISOもやってやる(これでも一応女性です。オバタリアンですが)と心に決め、会社のお金をたっぷり使い、毎週のように東京へ
勉強に出かけ(その時コンサルの存在を知りました。)
そこでお知り合いになったある審査機関の主任審査員の先生を勝手に師と決め、ストーカーのごとく全国を追っかけ(私に襲われるかもしれないと思ったそうです。)教えを頂きました。
けれども、先生が使われる規格の言葉がむずかしく分かりません。 環境影響をもつかまたはもちうるってどういうこと? 「先生、環境側面てなんですか?」 と質問すると、 「環境側面は環境側面なんだよ。」 という答えしかかえって来ません。
でもその先生は、環境側面をマトリックスで特定する方法を教えてくださいました。
又、規格の中に目的及び目標というのが出てきます。
私は、目的とか目標とか考えたことも無く、のんきに毎日を過ごしてるので、目的と目標の違いが分かりませんでした。
次の環境マネジメントプログラムもどのように作成したらよいのかずいぶん悩みましたが、これも先生のアドバイスのおかげで最高のマネジメントプログラムを作ることができました。
この頃から少しずつISOを理解できるようになり、私が望んだ、運用が簡単で、毎年の審査も超ラクチン、6ページの傑作マニュアルが完成しました。
環境側面もA4、1枚のマトリックスに仕上がる等、社長、社員からも絶賛され、審査員の先生方からも
「コンパクトなのに規格の要求は全て満たしている。」
とお褒めの言葉を頂き、今までの苦労が走馬灯のように頭をよぎり、おもわず涙がこぼれ急いでトイレに駆け込みました。
翌年の1998年10月のことです。
戦争のような1年が過ぎほっとしたのもつかの間、1999年の仕事始めの日、社長が
「今年はISO9001を取得する。お前がやれ」 と又もご指名。
今度もまた17ページのマニュアルに仕上げることが出来ました。
ISO9001に取り組んでみると、自社の仕事のやり方が、如何に無駄が多いかということに気づき、業務改善に大いに役立ちました。
その後、東京などで認証取得の事例発表を何度か行っている内に何処で聞かれたのか、コンサルを始めて間もない方々や企業のISO担当の方から、マニュアルを見て欲しいなど、様々なご質問やご相談が寄せられるようになり、ボランティアでお手伝いをしてきました。
私はISOを、これから先もずっと担当しなければならないのならば、何とか簡単で効果のあるシステムを構築しようと思い、自分が楽をするために簡単マニュアルを開発したのですが、
他の企業の担当者の方だって気持ちは私と同じはずだと思います。
なぜなら、口コミだけでこの2年で17事業所ものお手伝いをさせていただいたのですから。
2002年にはISO9001主任審査員、ISO14001主任審査員資格を取得、現在は、熊本県、沖縄県に専門家登録をし、企業の皆様のお手伝いをしています。
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